フジクラ スピーダーNX ゴールドってどう?
広島市安佐北区のゴルフ工房 スルーザグリーンです。
来月発売予定のフジクラ スピーダーNX ゴールドの試打用シャフトが届きました。

フジクラ スピーダーNX ゴールド_コスメ
当店では、日々さまざまなシャフトのフィッティングやカスタム、クラブの調整を行っています。
スピーダーNXシリーズは、現行の「バイオレット」を中心に「ブラック」・「グリーン」を含め、これまで数多くのお客様にご使用いただいてきました。
「スピーダーNXゴールド」は、この2025年の秋以降、各メーカーのカスタムに採用されるでしょう。
ツアープロの使用も始まり、2025年〜2026年の注目すべきシャフトになりそうです。
その特徴や使い心地は?どのようなゴルファーに向いているか?
早速、測定して当店ならではの視点で詳しくご紹介します。
どんなシャフト?
見た目・コスメティックは?
まずはコスメティックを見ていきます。
なんと言っても「黄金(ゴールド)」
「シナリとトルクの黄金比」
でゴールドらしい。
以前のモデルROMBAX(ランバックス)Xを思い出すが、あのイエローゴールドより黄土色っぽい印象。
ZCOMのSIXにあったようなゴールドのカラーリングに近いかな?
遠い昔の記憶で不確かですが。
コスメは手元側がブラックで、「NX」のプリントから先端側はゴールド(金色)です。
塗装はグロス(艶あり)仕上げながら、ゴールドの部分は光の反射を抑えた落ち着いた質感です。
マット感のあるゴールドは「シャープな」というよりは「ソフトな」印象を受けます。

フジクラ スピーダーNX ゴールド_ゴールド感
ブラックや近年のグレーカラーのヘッドともゴールドは馴染みやすいと思います。
また、グリップ側はブラックですのでカラーマッチング出来るグリップの選択肢も多い。
ちょっと豪華な感じになるのは否めませんが。
「NX」のプリントの先端側直下に、こっそりと「FUJIKURA」のプリントが同系色でデザインされています。
NXバイオレットに続き「NX」がメインのデザインになっています。
スピーダー NX ゴールドの剛性設計
まず、スピーダーNXゴールドの剛性設計(シナリかた)を見ていきます。
スペックは「50-S」と「60-S」を測定しました。
重量違いも大まかに同様の剛性設計を採用しているようです。
50-Sと60-Sで剛性設計は基本は同じ流れで作られているようです。
重量に応じて基本的に剛性が高くなる設計です。

SPD_NX_Gold剛性比較
最もButt側手元部と、Tip側先端部に違いが見て取れます。
Butt 手元部
50-Sが手元の剛性が押さえられています。
Tip 先端部
50-Sは先端部の剛性が全体からすると高めに設定されています。
まだ、他のフレックスを測定していませんので、これが50g台の特徴なのか、50-Sのみの設定なのかが分かりませんが、50-Sはつかまり過ぎを抑える設計意図が伺えます。
なだらかなType-Bの剛性設計
スピーダーNXバイオレットは、かなり特徴的な剛性設計でした。
スピーダーNXバイオレットの詳しい記事はコチラ→
https://www.through-the-green-golf.com/spd_nx_violet/
今回のスピーダーNXゴールドはバイオレットに比べるとシンプルな剛性設計のようです。
- 手元部剛性 → やや低め
- 中元部剛性→ 高め
- 中央部剛性→ 標準より高め
- 先中部剛性→ 高め
- 先部剛性→ 高め
これは、手元のしなりを感じつつも、全体のシナリを抑えた剛性設計に見えます。

SPD_NX_Gold_Butt部
多くのゴルファーにとって手元のシナリ感を程よく感じることが出来るため、切り返しでタイミングが取りやすく、ダウンスイング中はしっかりとスイングについてくる効果が期待できます。
NXバイオレットでも書きましたが、ここ最近の「ボール初速の出るシャフト(飛ぶ!と言われる)」に共通しているのが、この手元と中元部分の剛性設計。
『少しだけ手元の剛性を下げる』これ、近年のトレンドですね。
スピーダーNXゴールドも、初速出そうです!
カタログ上は「中調子」表記ですが
カタログの記載は中調子。
中元部の剛性が高く、それよりは少し剛性が抑えられている中央部。
当店では一般的なキックポイントでシャフトを分類しませんが、中調子と呼べるのか?
通常、中調子と聞くと
- シャフト全体が均一にしなるイメージ
- シャフトの中央部分のみがしなるイメージ
このようなイメージを持つかもしれませんが、前述のようにこのシャフトは中央部の剛性設計はやや高めです。
シャフトの手元がキックポイントで中央部はほんのり。
スイングの切り返し後に起こるリリースに素直に反応します。
これにより、振り遅れが起こることが少なくなると考えられます。
「スピーダー」の名前が、グイグイと前に走ってくイメージがしますが、スピーダーNXゴールドは、加速感よりも素直な感じです。
また、少しVentusのVero Coreの匂いを少し感じさせる剛性の高い先部分。
あくまで少しです。
これが、走っていくシャフトにありがちな、
- 過剰なつかまり
- 当たりのバラけや当てにくさ
といった問題を抑制しています。
最初は、NXグリーンの後継的な話を聞いていましたので、「粘い中調子?」と思っていましたが、
「粘り感の少ない、素直についてくる元調子」という表現の方がしっくりくるかも知れません。
フジクラさんの狙いとは少し異なる見解かも知れませんが、ある意味「スピード違反者(SPEED ER)じゃないスピーダー」ということです。
「思い切ってスピードを出せる」ので、スピード違反者(SPEED ER)になるシャフトかな?
剛性設計を比較
NX バイオレットとの比較
下図はNXゴールドの60-SとNXバイオレットの50-Sの剛性分布を比較したグラフです。

SPD_NX_Gold50vsViolet60剛性比較
手元部から中元部まではほぼ同じ剛性値であることが分かります。
基本的に重量が多くなると全体の剛性値は上昇します。
NXゴールドの60-SとNXバイオレットの50-Sで重量が異なるのに
それが同じということは、NXゴールドは手元の剛性がかなり抑えられている設計だという事です。
NX グリーンとの比較
スピーダーNXグリーンの後継的な話がありましたので比較してみたいと思います。
先ほどのグラフと線のカラーが変わってしまいました。

スピーダーNX ゴールドとグリーンの剛性比較
スピーダーNXグリーン
運動Type-Dのシャフトで、アウトサイドからの軌道を持つゴルファーのフェード狙いで、左への引っ掛けの悩みを抑えるタイプ。
インサイドからの軌道を持つゴルファーには、軌道を少し強調しつつも、過剰なフックを抑えるタイプ。
スピーダーNXゴールド
運動Type-B用のシャフト。
インサイドからの軌道を持つゴルファーの軌道をストレート方向へ補正。
つかまり過ぎによるフックを抑制するタイプに分類されます。
VENTUSシリーズは、VeloCore(ベロ・コア)も作用して「ガッツリ抑える」という感じですが、
それと比較すると「ほんのり抑える」感じです。
スライスか?フックか?のようなハッキリ・クッキリ強烈なタイプでは無いです。
インサイドからの軌道をアウトサイド側へ補正が少し期待できる剛性設計です。
アウトサイドから振ってフェードさせたい場合にも有効だと考えられます。
- フックの抑制に有効
- 引っ掛けの抑制に有効
この「引っ掛けの抑制に有効」というところが「NXグリーンの後継」のように伝えられている部分のようです。
見てきて分かる様に、相性の良い運動Typeが異なるため、NXグリーンからスンナリ移行という訳には行かないと思われます。
特にNXグリーンの少し粘るような動きがマッチしているゴルファーには移行は難しいかも知れません。
他には、上からヘッドが入るゴルファーでも、手元の「しなりポイント」によりブロー角がなだらかになる補正が期待できます。
この手元と先端の剛性設計により、アッパー軌道に動きながら過剰なつかまりを抑える動きが期待できます。
(過剰な期待は困りますが、一定量の効果はあると思います。)
「左を恐れず、しっかり振れる。しっかり振っても付いてきて遅れずに当てやすい」
遠慮なく飛ばせる要素をたっぷり含んだシャフトと言えます。
※解釈や分析は当店独自のものです。
適合するタイプは?
スピーダーNXゴールドは、「運動Type-B」スイングタイプを持つゴルファーに適しています。
特に「運動Type-B」でフックや引っ掛け、それらを嫌って右に送り出して打っているゴルファーにオススメです。
Type-B
- 過剰なつかまりを抑えたい
- シナリの大きいシャフトだとタイミングが取りに難い
- シャフトに合わせるとスイングテンポが下がり、スイングスピードも出せない
このシャフトを使うことで、このような状態を解決してくれる可能性を持っています。
「運動Type-A」に関しては、つかまりを抑えたい場合には適合しそうです。
Type-A
- 左のミスを抑えるために、右にボールを集めたい
- まったりしたシャフトだとタイミングが合わない
- スピン量が多く、後半失速する弾道になる
シャフトがスイングの動きをしっかりと追従し、そのまま素直にインパクトする。
「左のミスを出さないため」シャフトに遠慮してスイングしているゴルファーは飛距離や方向性が大きく改善されると思います。
まだ、50-Sと60-Sのみの調査ですので、他のスペックを測定すると若干変わる可能性がありますが、スピーダーNXバイオレットやブラック以上や同等のつかまりを求めるのは難しいと考えられます。
スペックの選択を間違えなければ、シャフトに遠慮する事なく振っていけると考えられます。
ドロータイプ?
よく、シャフトの性格をマトリックスで「ドロー」・「フェード」と書かれている表を見かけます。
- 「ドローになりやすい(よりつかまる)」のか
- 「ドローヒッターに合う(つかまり過ぎをコントロール)」のか
ただ「ドロー」とだけ書かれていてどちらに向いているのか分からないことが多いです。
NXゴールドは「ドローヒッターに合う(つかまり過ぎをコントロール)」側だと考えます。
振動数とスペック
気になる方も多い、スピーダーNXゴールドの振動数・重量・トルクのスペックはこちら。
モデル | 重量 | トルク | 振動数 |
40/R2 | 44.0g | 5.8 | 221cpm |
40/R | 44.0g | 5.8 | 230cpm |
40/SR | 45.5g | 5.8 | 240cpm |
40/S | 47.0g | 5.8 | 250cpm |
50/R | 50.5g | 4.6 | 235cpm |
50/SR | 52.0g | 4.6 | 245cpm |
50/S | 53.5g | 4.6 | 255cpm |
50/X | 55.0g | 4.6 | 264cpm |
60/SR | 60.5g | 3.5 | 250cpm |
60/S | 62.0g | 3.5 | 259cpm |
60/X | 63.5g | 3.5 | 269cpm |
70/S | 72.0g | 2.8 | 264cpm |
70/X | 73.5g | 2.8 | 274cpm |
- 重量は長さ:カット前(46インチ時)
- 振動数:長さ45.5インチ時 / ダミーヘッド198g
振動数はヘッドの重量や重心位置・打ち込み量などで変化します。
NX バイオレットと比較して、NX ゴールドの方が重量が約5g軽く、トルクは0.1°少なくなっています。
※測定値は当店の測定器・測定方法によるものです。
※効果効能(?)は、取り付け方法や組み合わせなどで変わりますので参考までに。
※測定数値などは、測定方法・測定機器の違い・ヘッドやグリップの装着方法などにより変わりますので参考までに。
今後、追記していく予定です。
組み上げた後のデータやその他のスペックの測定結果などを、今後追記していく予定でおります。
お楽しみに。
まとめ
スピーダーNXゴールドは、つかまり過ぎを抑えながらも素直に振り抜ける設計。
フックや引っ掛けを抑えたい方、シャフトに合わせてスイングテンポが崩れてしまう方には、しっかり振ってもついてくる安心感が得られるはずです。
シャフトに遠慮せず、自分のスイングを信じて振ってみませんか?
このブログ記事が、スピーダーNXゴールドを知るきっかけとなれば幸いです。
自分にぴったりのシャフトを見つける手助けができることを願っています。
詳しくお聞きになりたい・お話ししてみたい方は、ぜひ当店まで。
その他のシャフトが気になる方はコチラも併せてどうぞ

ゴルフパフォーマンス スタジオ
THROUGH THE GREEN(スルーザグリーン)
〒731-0201
広島市安佐北区大林3丁目14-22-1F
ボソボソとゴルフクラブへの知識欲求を呟いています。
X(旧ツイッター)もフォローお願いします。→TTG Twitter
コメント