エスティバンES460Dドライバーは、誰に合う?
エスティバンES460Dドライバーは、誰に合う?
広島市安佐北区のゴルフスタジオ スルーザグリーンです。
以前から興味のあった、異色のドライバー「エスティバン ES460D」
新商品の紹介に営業さんが来店されたので、打たせてもらいつつレポートさせていただきます!
まず目に付くのが、クラウンに凹凸で入れられた特徴的な幾何学模様。
しっかりとした凹凸が見て取れます。
見た目でいうと、ソケットがすごく短いものが使用されているように見えます。
実はこれ、ソケットではなくスリーブの一部。
PXGやGTDのドライバなどと同じように、ソケットなしでスリーブをシャフトに取り付けるタイプです。
白いラインもあって、シャフトの先にヘッドが「ポン」と付いている感じを受けます。
個人的には、もう少し長さのあるソケット(スリーブ上部のデザイン)の方がシャフトとヘッドのつながりが良く、クラブとしての一体感が出るように思うのですが、あえて存在感あるヘッドを強く意識させるために、これだけ短いソケットを採用されているのでしょうか?
オーストリッチ風のシンプルながら高級感があるヘッドカバーは、最近の大型ヘッドが出し入れしやすいアメリカンタイプです。
強烈な個性を放つヘッドを収納するには、何故かしっくりくるヘッドカバーです。
この角度から見ると、更にクラウンの凹凸がハッキリと見て取れます。
深さのある凹凸なので、カラーカスタムで、色を入れて見ても面白いかもしれません。
かなり色が入ると思われますので、イメージがガラリと変わりそうです。
そして、クラウン以外が逆に、非常にシンプルにデザインされていることにも気付きます。
こちらのアングルの方が分かりやすいですね。
クラウン・フェースは派手なエスティバンES460Dですが、ソールやバックフェース部分はとてもシンプルなデザインです。
ヘッド後方には2つのウェイトポートがあり、別売予定のウェイトキットを使って、調整が可能です。
ウェイトポートは、ディープバックに設計されたバックフェース部の高い位置に設計されています。
ヘッドの重みをボールの真後ろからぶつけるイメージです。
ES460Dは、ドラコン生まれのドライバーという事で、現物を手にするまでは以下のようなヘッドをイメージしていたいました。
・浅い重心
・6度などの強烈に少ないロフト角
・ディープフェース
・スコアラインの少ないフェース
・拳を連想するようなディープバック
「ハードヒッターのふけ上がる弾道を抑えるスペックを備えた」そんなイメージだったのですが、
実際のエスティバン ES460Dは、どんなヘッドだったかというと
実際のES460Dの特徴
飾りやデザインに見えがちなクラウンの凹凸。
事実デザインの要素もありますが、ヘッドの撓み(たわみ)を抑えるという役目を持っています。
多くのクラブはPRGRのDuo以降、「高打出し角・低スピン」を得るためにヘッドを撓ませるように設計をしてきました。
こうした「撓む(たわむ)」事で、特にクラウンを撓ませることで打出し角度を上げてバックスピンを減らし飛ばすクラブと違い、
ヘッドの変形を防ぐことで、インパクト時のパワーロスを抑えるのが目的です。
メーカーさんのHPより拝借いたしました。
フェース材は、この開口に合わせて行われているようです。
撓む部分を限定的にし、精度を高く作ることが出来る構造です。
撓みのコントロールの追求がここにも表れているようです。
事実、インパクトでボールとの衝突により「ヘッドが撓む」ということは、その部分がソールであれフェースであれ、そしてクラウンであれ、インパクト時の衝突エネルギーの一部を吸い取ってしまっています。
そのため、テーラーメイドなどの展示会でしか見ることがなかなか出来ませんが、ヘッドのカットサンプルで見るとこが出来るヘッドの内部には、フェースに垂直に撓み過ぎを防止するための板を確認することが出来ます。
2017年話題になったキャロウェイのEPIC(エピック)も、2本のバーによりヘッドの撓みを抑制することで飛距離アップすることが特徴でした。
フェード系のタイプに安心感!
クラウン以外の部分を見ていくと、フェースの中心部分に浅いアールのレーザーミーリングが施されています。
厚みも「ドラコン用ヘッド!」と気負ったほどのフェース高ではありません。
フェースの形状は、ややトゥ側にボリュームを感じます。
アドレス時に特徴的だと感じたのは、FP値が小さいことと、フェースのネック寄りの部分がグースのように受けてることです。
ボールのつかまりをイメーじさせるフェース周りの形状に、フェード・スライス系のタイプには安心感のある印象を受けました。
エスティバンのシャフト
ヘッドにインパクトがあるため、あまりシャフトに触れておりませんが、フレックスをS・Rといった表記ではなく、ヘッドスピードで対象を分けています。
シャフトの4つの菱形マークの中に対象のヘッドスピードが書かれています。
写真の場合ヘッドスピード38~41m/sの方を対象にしたシャフトであることを示しています。
賛否両論ありそうですが、従来のフレックス表記についたイメージに左右されたくないということだと思います。
シャフトは全部で5フレックスを用意されています。
シャフトは全体的に剛性や硬度といった見方からすると柔らかめの設定をされています。
シャフトのしなりを活かしたスイングのタイプを想定されているように感じました。
凹凸のヘッドがもたらしたこと
新たに機能を追加すると、他の部分でも影響が出ることは避けられません。
先ほどのキャロウェイのEPICであっても、2本のバーを追加することでどうしてもフェース側にヘッドの重量が寄りやすくなってしまいます。
それを補うためもあり、ヘッド内でのフリーウェイトを確保するためにヘッドのクラウンやソール部分に、チタンに比べ比重の軽いカーボン素材を多く使用しています。
エスティバンES460Dは、そのクラウンの凹凸でヘッド上部の重量を増加。
そのため重心高がやや高めなっているようです。
スリーブ付きでのヘッド単体で測定してみました。
スピンを減らすゾーンの広さを示す第2重心高は20mmと平均かやや少なめ。
重心距離は38mmと、このサイズのヘッドとしてはやや短い。
重心深度は35mm重心角は22度でした。
スリーブを取り付けしたら、更に第2重心高は更に短く、重心距離は短くなると思われます。
クラウンの凹凸・重量のかさむウェイトポート2つ・角度調整機能用のスリーブと、ヘッド重量がかさむ仕様のため規格のウェイトを装着した状態でヘッドウェイトは198g±と重め。
別売りのウェイトキットで、最大4g減らせそうですので軽くないとダメなタイプにも、あまり長くしなければ対応できそうです。
実打テストの前に、予測
実打テストの前に、予測される弾道は「打出し角度はやや低く」「バックスピンはやや多め」
さて、実際に打ってみると、弾道のデータよりもまず激しい金属系の打球音が印象にのこります。
ウェイトを少し緩めにしておくと、もう少し低い音になるのかもしれませんが、かなり甲高い打球音です。
球離れ・打出し初速を早く感じる打球音です。
20球程度実打テストを行いましたが、驚くほどの初速は計測できませんでした。
バックスピンが3300rpmと予想通り多めにかか掛かりました。
色々な打ち方で探っていった結果
色々な打ち方で探っていった結果、相性の良さそうなのは「自分でかなりバックスピンを減らせる人」「もともとバックスピンが少ない人。」
イメージに反して、ヘッドスピードが早くない、最大飛距離を得るための弾道に高さ(バックスピン量が多く)が必要な方と相性が良さそうです。
ヘッドの特性・シャフトの特性ともに、スライス系の弾道が出る人には向くクラブだと思います。
実際の練習場などでの試打会でも、ヘッドスピードが36~42m/sの方が打たれると飛距離を伸ばされることが多いそうです。
ちょっと硬派なイメージをデザインから感じてしまいますが、「スピード・エネルギーを少しも無駄にできない」アベレージゴルファー・シニアゴルファーを救ってくれるクラブです。
ボールはディスタンス系のロースピンなボールがオススメとなりそうです。
クラブセッティングで、フェアウェイウッドやユーティリティーを多く入れられている方と相性が良いでしょう。
その辺を考えてもアベレージゴルファー・シニアゴルファーへオススメのドライバーといえそうです。
エスティバン ES460Dは誰に合うのか?
当スタジオで分類する運動タイプは、Type-Cの方向けだと言えそうです。
まとめると、スイングスピードが40m/s以下の運動タイプType-C。持ち球はフェードで弾道のやや低い方へマッチします。
硬いシャフトが好きな方へは、私はあまりオススメしません。シャフトのしなりを上手く利用するタイプの方は、使用することで飛距離が伸ばせそうです。
角度調整機能の付いたスリーブを、1周回して取ってみました。
エスティバン メーカーHPはコチラ⇒『エスティバン ES460D』
※測定値は、当スタジオの測定器で当スタジオの基準で測定したものです。
測定器・測定方法の違いで差異が出ることがあります。予めご了承ください。
2018/2/1追記
エスティバンに高弾道モデルES460Jがラインナップに追加されます。
発売日は明日2月2日
以下、メーカーさんサイトから転記
従来モデルES460Dとの違い
・設定基準ロフトを「11.5度」に設定(ES460Dは中心ロフトは9.5°)
※10.5度〜12.5度までの可変式
・バルジ・ロールを若干大きくし、より方向性を向上
・ヘッド重量を200gに設定することで、重心深度をより深くし、さらなる高弾道を実現
現行ヘッドES460Dより、シニアゴルファーや、レディースゴルファーにフォーカスした、新しいESシリーズです!
※ ES460D「10.5度」の、フックフェースが苦手な方は、ES460Jの「10.5度」をご使用していただくと、フェースアングルはスクウェアになります。
基本設計はそのままに、より高弾道を欲する方へのモデルとなります。
ES460Dで10.5°に角度調整をすると、フェースアングルが若干フックになります。
ES460Jで10.5°に角度調整した場合は、基準のフェースアングルよりも若干オープンになるので、構えやすさでチョイスすることが出来るということです。
ゴルフパフォーマンス スタジオ
THROUGH THE GREEN(スルーザグリーン)
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