ユーティリティの純正シャフトってどう?Ping ツアー2.0シャフトの場合

Pingのユーティリティセットのシャフト問題 シャフト
Pingのユーティリティセットのシャフト問題
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ユーティリティの純正シャフトは揃っている?Ping TOUR 2.0の硬さと振動数を検証

広島市安佐北区のゴルフ工房 スルーザグリーンです。

ユーティリティを2本以上、多い方だと6本とかバッグに入れている方も珍しくなくなりました。
「アイアンセット」のように、もはやそれは「ユーティリティセット」

「同じシャフトで揃えておけば、揃っているよね?」
そう思いたいのは、よく分かります。
実際に揃っているのか?今回はその実態を検証します。
今回はそんなお話です。


「同じシャフトで揃えておけば、揃っているよね?」は正しいか?


Ping G440 ハイブリッド4本セットの場合。 

今回のクラブはグリップ交換で当店にやってきた
『Ping G440 ハイブリッド 3UT〜6UTの4本セット』
シャフトはPing ツアー2.0 クローム 85 Sフレックス。

ドライバーとFWもPing G440シリーズで統一されています。
シャフトはハイブリッドと同じくPing ツアー2.0 クローム 65 Sフレックス。

見た目は同じシャフトで統一されていて、セットとし機能しているように見えます。
実際に揃っているのか?

Pingのユーティリティセットのシャフト問題

Pingのユーティリティセットのシャフト問題

どのように装着されているかというと↓

『2.0』の部分に矢印を書き入れてみました。
シャフトのプリントとグリップとの間の長さが、クラブの長さに比例して短くなっています。

Pingのユーティリティのシャフトを並べてみる

Pingのユーティリティのシャフトを並べてみる

ヘッド側を同じように装着後に、クラブの規格の長さにグリップ側を切ってくと、このような状態になります。
キレイに0.5インチずつの段が形成されています。

これはTipカットが一切施されていない状態で装着されているということ。

もしお手元にユーティリティが複数本あって、同じモデルの同じシャフトが装着されているなら見てください。


それってどういうこと? 

番手と長さ、それに伴う硬さの変化を見ていきます。

番手 長さ 振動数換算フレックス
3UT 40.25インチ Sフレックス相当
4UT 40.75インチ Sフレックス相当
5UT 39.25インチ Sフレックス相当
6UT 38.75インチ SRフレックス相当

シャフト:PING TOUR 2.0 CHROME 85
表記フレックス:S

『振動数換算フレックス』
長さが短くなると比例して振動数が高くなる。
長さと振動数の数字だけだと比較しにくいため、番手が変わり長さが変化しても同じ硬さになっているかを『相当フレックス』に置き換えて簡単に表示したものになります。

硬さがどうなっているかを分かりやすくしたと思ってください。

6UTはSフレックス相当の換算フレックス内に収まらず、SRフレックス相当になっているのはすぐに分かります。
3UT〜5UTは、どうにか同じ換算フレックス内に収まっていますが、
3UTが最も硬い状態で、3UT→4UT→5UTと短い番手になるに従い、ジワリと柔らかくなっている状態です。

硬い 3UT > 4UT > 5UT > 6UT 柔らかい

ロフト角が大きくなり、つかまる度合いが短い番手になるに従い増えることを考えると、
言うまでもありませんが、セットとして使用するのは難しいと考えられます。

つまり、同じシャフトで硬さを揃えたつもりが、番手が短くなるほど、シャフトが柔らかくなる傾向にあるということです。


ドライバーとFWでは? 

ドライバーとFWでも同じことが行われています。

下の画像はドライバーと4wのシャフトを、ハイブリッドと同じようにグリップ側を揃えて撮影したものです。
右の4wのButt側(太い部分)がカットされて、シャフトのロゴがグリップに近くなっているのが分かります。

Pingのドライバーと4wのシャフトを並べてみる

Pingのドライバーと4wのシャフトを並べてみる


これもそういうこと 

番手 長さ 振動数換算フレックス
1w 45.25インチ SXフレックス相当
4w 43インチ SRフレックス相当
5w 42.5インチ Rフレックス相当

シャフト:PING TOUR 2.0 CHROME 65
表記フレックス:S

こちらの方が長さの差がある分、ハッキリと短い番手の方が柔らかいことが分かる。

PING TOUR 2.0 CHROME 65 S振動数

PING TOUR 2.0 CHROME 65 S振動数

↑ドライバーの振動数 271cpm
↓4wの振動数 269cpm

PING TOUR 2.0 CHROME 65 S 4w振動数

PING TOUR 2.0 CHROME 65 S 4w振動数

もちろん、使う方はこちらも同じシャフトで揃えて、同じ硬さになっていると思われている。

実際にお使いのお客様は、Fwは左のミスが多いとのこと。
同じルックスで、硬さがこれだけ違う。
同じ硬さで揃っていると思って振っているため、見た目の統一が逆効果になっています。

つまり、こちらも同じシャフトで硬さを揃えたつもりが、番手が短くなるほど、シャフトが柔らかくなる傾向にあるということです。


なぜこのような事になるのか?

このシャフトの装着の仕方だと、『短い番手になるに従い柔らかくなる』ことを見てきました。

なぜこんなことになるのか?


ヘッド重量が違うから

同じシャフトに重さの異なるヘッドが付いている状態をイメージすると分かりやすい。

ピンG440LSTドライバーヘッド重量

ピンG440LSTドライバーヘッド重量

  • 軽いヘッド(206g) ドライバー
  • 重たいヘッド(218.3g)4w
ピンG440MAX 4wヘッド重量

ピンG440MAX 4wヘッド重量

ドライバーと4wではヘッド重量に約12gの差があります。
ハイブリッドの場合、1番手につき約5g前後の差があります。
これが、振動数が低くなる(高くならない)要素。

同じシャフトに硬さの調整を行わずに同じように取り付けた場合、重いヘッドほどシャフトがしなりやすくなり、振動数が下がる要因になります。

クラブの長さが異なるため、装着されたシャフトの長さ自体が異なります。
クラブ長:1w 45.25インチ 4w 43インチ
差は2.25インチ。

シャフトの取り付け長の差は4wの方が短い(約1.5インチ)。
クラブ長とシャフトの取り付け長との差は、ヘッドのサイズが異なるためです。

シャフトの取り付け長が短くなることで、シャフト自体の量が減り、振動数が上がる要因になります。
これは振動数が高くなる要素。

振動数が高くなる要素があるものの、この約1.5インチの差は先ほど見てきたように、シャフトのButt側(太い方)をカットして差が付いている。

シャフトは基本的に径が太い方が硬い。
そのため、1wと比較してFWのシャフトは『硬い部分が減った状態である』と言えます。


まとめ

まとめると、

  • ヘッド重量が重い → 振動数が下がる要素
  • シャフトの取り付け長が短い → 振動数が上がる要素
  • シャフトの太い部分が少ない → 振動数が下がる要素

今回の事例は、振動数が下がる要素が多いため、換算フレックスが変わるほど柔らかくなっている。

あまりお見かけすることはありませんが、
「短い番手になる程、シャフトが柔らかくなることを希望している」のなら問題ありません。

リシャフト等を行う際、同じような硬さとシナリ方を手に入れるためは、これまで見てきた要素を考えて

  • Tipカットを行う
  • シャフトのフレックスを変更する
  • シャフトの重量帯を変更する

これらの調整が必要です。
これを行わないと、「揃っているのは見た目だけ」と言うことになります。

あなたのユーティリティやフェアウェイウッドのシャフトは大丈夫だろうか?
見た目だけでなく、性能面でも統一されているかを確認することが必要です。

硬さと一緒に振り抵抗もセット内で統一すると、セットとして機能しやすくなります。
セット内のクラブを『同じように振れるようにするセッティング』に興味のある方はコチラもご覧ください。
https://www.through-the-green-golf.com/balance_flow/


ゴルフパフォーマンス スタジオ
THROUGH THE GREEN(スルーザグリーン)
〒731-0201
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