重心距離を測定
前回の繰り返しですが、タイトリスト TSi3のドライバーでウェイトを最もトゥ寄りの「T2」と最もヒール寄りの「H2」のウェイト位置で測定してみました。
ヘッド重量は201.1g。
スリーブのポジションは「A1」
装着ウェイトはSTD +2gの10.2g。
フェアウェイウッドは、ウェイトポートがフェース寄りで、フェース側からウェイトを入れる形でしたが、ドライバーはヘッド後方寄りで、後方からウェイトを入れる構造になっています。
「少しでも重心を浅めにしたい」フェアウェイウッド
「少しでも重心を深くしたい」ドライバー

タイトリスト TSiドライバーフェース面上の重心位置
このような感じです。

タイトリスト TSi3 ウェイトT2ポジション重心距離
最もトゥ寄りのウェイトポジション「T2」での重心距離は43.9mmでした。

タイトリスト TSi3 ウェイトH2ポジション重心距離
最もヒール寄りのウェイトポジションT2での重心距離は42.2mmでした。
ウェイトポート側のT2とH2のウェイト移動距離は42mm
最も離れたT2からH2への移動移動した重心距離は1.7mmほどでした。
重心距離は、43.9mm「かなり長い」から42.2mm「長い」に変化している感じです。
クラフトマン的には、まずまず移動しているのですが、単位がmmなので殆どの方は、期待した移動量ではないかも知れません。
ちなみに重心深度は、リーディングエッジから40mmでした。
スリーブのポジションも併用した場合
タイトリストのネックスリーブの角度調整機能「Sure Fit」と併用した場合も測定してみました。
最もアップライトな「B1」での「H2」ポジションの場合、39.9mm「平均的」
最もフラットな「A2」での「T2」ポジションの場合、45.2mm「かなり長い」
スリーブとウェイトポジションの併用で、最も重心が移動する条件では「T2」から「H2」への移動した重心距離は、5.3mmほどでした。
併用すると、かなり変化します。
ネック軸周り慣性モーメントは重心距離の二乗に比例・・・・なので、ヘッドの特性を変化させる際はウェイトの移動と合わせてスリーブも狙って調整することをオススメします。
重心深度を測定
先ほどの条件では重心深度は、リーディングエッジから40mmでした。
ヘッド重量は201.1g。
スリーブのポジションは「A1」
装着ウェイトはSTD +2gの10.2g。
装着ウェイトを、STD -2gに変更して、同じ「T2」位置で重心深度を測定してみます。
ウェイトの重量が分かりにくいので、改めて表記すると10.2g → 6.2gとなります。

タイトリスト TSiドライバーソール面上の重心深度
ソールに書いてしまっていますが、40mm → 39mmと1mmほど浅くなりました。
ウェイトポジションが「T2」でしたので、トゥ寄りの後ろが軽くなったので、約1mmほど重心距離も短くなりました。
※軸線上ではなく、リーディングエッジからの深度になります。
まとめます。
打点のズレに重心位置を近づける調整は、ウェイトの移動だけでなくスリーブによるライ角調整などと複合して行うと、幅が広がるでしょう。
フェアウェイウッドと同じく、自分の打点傾向と重心がどこにあるのかを先に知っておく必要があります。
重心距離と重心深度は、ヘッドのターン(つかまり)に大きく影響します。
自分に合うヘッドのスペックとして知っておくと、見当違いのヘッドを使ってしまうことは減ると思います。
調子の良いヘッドの重心位置、反対に上手く打てなかったヘッドの重心位置。
両方知っておくと更に良いでしょう。
クラブの変化とともに、スイングが変化してきています。
一概には言えませんが、
流行りのシャローイングを取り入れたスイングなら、「重心距離は長め・重心深度が深め」から調整していった方がよりベターなセッティングが見つかりそうです。
従来のリストのローテーションでボールのつかまりをコントロールするスイングなら、「重心距離は短め・重心深度が浅め」からの調整が良いと思います。
最近はヘッドの素材もカーボンやタングステンウェイトを多く使うようになり、見た目以上に重量差のあるパーツで構成されています。
分かってくると、ヘッドの形状である程度は予測できるようになりますが、測定出来る機会に測って知っておくことをオススメします。
何かの参考になれば幸いです。
FW(フェアウェイウッド )のウェイト調整による重心位置の変化の記事はこちら→「フェアウェイウッド のウェイト調整で、つかまりや操作感は、どれだけ変わる?」
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